徘徊する魂   Traveling Alone ! 

四国と周辺地方をYBR125Kと徘徊中

タップ&ダイスとエキストラクター


整備に不慣れな間、ボルトやナットを締めたり緩めたりする力加減が分からないせいで錆びて固着したボルトをねじ切ったり、ネジ穴に対してボルトを斜めにねじ込んでみたり、スパナを使ってボルトの頭をナメたり、ナットを掛け違えてネジ山を潰したりすることがよくある。
分解整備の経験が全くないなら、出来ればスクラップの原付バイクかエンジンだけでも入手して徹底的に分解した後、デタラメでいいから出来る範囲で再度組み立ててみるとよい。
それだけでも愛車の整備中に部品を破損するリスクは大幅に減る。

材質や部位ごとの適切な締めトルクが分からないまま作業すると、たとえばオイル交換のような単純簡単な作業でもドレン穴のネジ山を潰したりして、とんでもない手間と出費を招くことがある。
自己責任とはいえ、今まで一度も整備工具に触った経験さえないまま、いきなり大事な愛車に手を付けることはお奨めしない。

というわけで、ネジが潰れたボルトはダイスでネジを修正し、ネジ山が潰れたネジ穴やナットはタップでネジを切り、ねじ切って頭が折れたボルトはエキストラクターでネジ穴から取り除くことになる。
このセットは通販で¥5000位で買った。
台湾製だが国産メーカー製と比較して、品質に大きな差はないように思う。
折れたり壊れたりしたサイズはそのつど単品を買って補充している。

分解整備作業における保険のような工具だが、電動工具類よりは登場機会がはるかに多い。
少しでも感触が悪いボルトは、そのまま無理にトライするよりタップ&ダイスでネジ山を修正してからチャレンジした方が、トラブルを回避出来る可能性が高いからだ。

ちなみに、ネジを修正するつもりでねじ込んだタップが折れてしまった場合、それを取り除くには折れたボルトを取り除く数倍の労力と技術が要る。
タップを電動ドリルにセットしての使用は折れ込むリスクがかなり高いのでやめた方がよい。
タップハンドルにセットした上で、切削油代わりに5-56等のルーセンを吹きこみながら、半回転締めたらその半分を戻し、また半回転締め込むくらいの慎重さで気長に作業することが、結局は時間の節約になるだろう。