キャブレターの分解点検その1
何度締めてもゆるんでしまうチョークレバーのセットボルトに、ゆるみ止め処理するついでにキャブレターを取り外して分解し、約7ヶ月7600km走行後の内部の状態を確認した。
7600km程度の走行でもワニスがこびり付いている。
奥に見える黒い部分がスライドバルブ(サクションピストン)
キャブレター取り外しまでの手順
両方のサイドカバーを取り外す。
エアクリーナーボックスを取り外す。
キャブレターとエアクリーナーボックスを接続するバンドをゆるめる。
キャブレターとインテークマニホールドを接続するバンドをゆるめる。
フューエルコックの矢印を真横に向け、キャブレターへのガソリン流入を遮断する。
キャブヒーターの端子とTPSのカプラーを抜き、アクセルワイヤーと外しやすい箇所のホースを抜く。
作業しづらいので5mmのアーレンキーでインテークマニホールドも取り外し、シリンダー内への異物混入を防ぐためマスキングテープで穴を塞ぐ。
燃料コックとキャブレターをつないでいる画像中央のホースは、キャブレター側が抜けにくい上、ホース長さ寸法がぎりぎりなので、キャブレター本体を車体左側に出してからクリップをずらして気長に抜く。
なかなか抜けない場合は燃料コック側を引き抜いてもよい。
摘出したキャブレター。スロットルバルブが金色に輝いている。
右側の黒い樹脂部品がTPS(スロットルポジションセンサー)、スロットルバルブ同様特に問題がない限りいじらない。
ボルトをゆるめただけでセッティングが変わり不調の原因になる。
底のチャンバーを取り外して中の状態を確認。
フロートはまだ変色しておらず新品同様だ。
樹脂製のフロートは使い込むにつれて飴色に変色する。
CV(負圧式)キャブのキモであるキャブトップを分解。
ダイヤフラムはデリケートなので取り扱いに注意する。
このスプリングをひと巻きほどカットするとレスポンスが上がる場合もあるが、現状何も不満を感じていないなら余計なことはしない方が無難である。
キャブレターの掃除には、キャブクリーナー(インジェクションクリーナーやエンジンコンディショナーも同類、浸け置き用の液状と泡スプレー式の物があると便利)、極細の針金(荷札に付いてるものでよい)、エアガンが三種の神器である。
もっと使い込んでから本格的にオーバーホールする場合は、経年によりジェット類に付着した緑青他を除去するため真鍮ブラシで磨くこともある。