落合峠にて
深淵の廃集落を出発し、冬季は雪で通行止めになることが多い県道44号の狭隘部分を落合峠に向けて上っていく。
道路右手に透明スレートで囲われた1坪半ほどの小屋をある。
中に囲碁盤があるところをみると、地域在住者の憩いの場なのか。木の看板に書かれた「智者落水 仁者楽山」は論語由来の成語。
知者(ちしゃ)は水を楽しみ、仁者(じんしゃ)は山を楽しむの意
右手に見える未舗装路は林道烏帽子線
看板によるとここが起点になるらしい
落合峠に到着
画面中央奥が今越えてきた峠部分
先客は国道439号方面から来たらしいクルマが2台。
70才前後と見受けられる婦人から県道44号線方面の道路状況を訊かれたので、腕に自信がなければ引き返した方がいいと答えた。
鉄筋の入れ方が少なすぎたのか、駐車場のコンクリート製手すりはかなりの部分が折れて危なっかしい
道路沿いに祀られた弘法大師像
落合峠と峠大師の由来石碑
落合峠は阿波加茂祖谷に通ずる唯一の文化の交流と生活道であった。
又、西日本一と言われるススキの名所で有名である。此処に鎮座する大師は、文政年号に落合部落民の総意により峠越しの交通の安全と人の幸せを見守ってきたのであるが時代の変移により、現在峠道は廃り車道即ち自動車●用で深淵を経て加茂に至るのである。故に旧歩道より落合部落の総意により次の世話人と部落全員の奉仕により此処に還座し再び部落民と出入りの者の交通安全と幸せを見守っているのである。
南無大師遍照金剛
平成元年四月二十三年
総世話人 曽我吉信
以下省略
落合峠避難小屋
突然の雪で動けなくなった場合の緊急避難所なのだろう