大久喜鉱山跡地(その3)
鉱石サンプルのあった建物を出て急斜面の砂利道を下る。
しばらく行くと道路右手のやや奥まった場所に白壁と瓦屋根を見つけた。
付近にあるやや開けた平地にバイクを駐め、身長を上回る高さの枯れ木と枯れ草をかき分けながら建物の正面に到達。
入口のすぐ前には沼状の水たまりが広がっているため建物正面からの遠景が撮影できない
久しぶりの廃墟探索である。
開いている戸口から中に入るが、室内に向けて差し渡してあった足場は朽ち果てていて、踏むとグズグズに崩れてしまった。
建物内部から侵入口の辺りを撮影
今後たいした年月を待たずに倒壊確実な状態だ
膨らんで崩れ落ちそうな天井部分を、積み上げられた大量のパチンコ台が支えている
おびただしい量の廃パチンコ台が奥の壁まで積み上げられている。
手打ち式の台もそこここに見受けられる。
パチンコ台のデザインから判断すると最低でも35〜40年ほど前のものではないだろうか。
地元の人の話によれば、大久喜の鉱山が廃止された跡地に、大洲市内でプロパンガスの販売会社とパチンコ店を営む地元実業家が廃タイヤの再生施設建設を計画していたらしい。結局何らかの事情により事業は頓挫したが、その関係でズリ山付近にはガス会社の社名が残るバスや関係車両が放置されていた時期もあった。
この場所に積み上げられたパチンコ台は新台入替により大洲市内の店から引き上げられたものか、あるいはこの場所にあった鉱山労働者のレクリエーション用として娯楽室に設置されていたものかはわからないが、量の多さから判断して前者の理由によるものではないか。
侵入口付近にあった小部屋とパチンコ台が積み上げられた部屋を仕切る壁に開いた銃眼のような穴。
この建物で映画が上映されていたかもしれない
壁で仕切られた建物の向こう側に行くためここで一旦外に出る。
改めて外観を見ると、いつ屋根が崩れ落ちてもおかしくない廃れ具合いを実感する。
奥側の部屋はいくつかの部屋に仕切られた住居部分だったらしい。
床の間の天井は屋根が崩れ落ちて青空が見える。
足元には鳥類や小動物の骨が散乱している。
床板を踏み抜かないよう注意しつつ根太部分を踏みながら奥へ向かって歩く
時の流れは岸辺を持たない
※画像クリックでオリジナルサイズを表示
パチンコ屋敷の探索はこれにて終了。
もう一段の風化が進んでいる宿舎の廃墟に向かう。