徘徊する魂   Traveling Alone ! 

四国と周辺地方をYBR125Kと徘徊中

白滝山の五百羅漢(その1)

五百羅漢を見るため遊歩道に向かう

遊歩道前の駐車場にバイクを駐め、歩いて遊歩道入口に向かう。

【白滝山頂案内図より】
標高227mの白滝山は、1569年に村上吉充(因島村上氏第6代当主)が観音堂を建立したと伝えられ、その後、柏原伝六とその弟子たちによって、五百羅漢の石仏が作られました。
羅漢像や釈迦三尊像阿弥陀三尊像、伝六夫婦像などさまざまな姿態や表情の大小約700の石仏が自然に溶け込んで、独特の雰囲気を醸し出しています。

【案内看板より】

因島周遊歩道 五百羅漢

白滝山中腹から山頂にかけて、さまざまな姿態と表情を持った、約700体の石仏が自然美の中にとけこんでいます。五百羅漢と呼ばれるこの石仏群は、文政13年(1830年)柏原伝六とその弟子たちによって作られました。
頂上には、6メートルの自然石多宝塔や、当山随一の釈迦三尊、等身大の十六弟子像など大小無数の石仏が並んでいます。
ここからの眺めは最高で、因島大橋、瀬戸内海に浮かぶ大小の島々の多島美が満喫できます。

広島県

駐車場から下を見下ろす
さきほど前を通過した鉄製モニュメントが左下に見える

夕暮れ近い無人の遊歩道を登っていく

【案内看板より】

瀬戸内海国立公園

因島フラワーセンター〉
このフラワーセンターには、珍しい花、新しい花等、約95,000本の花木が栽培・展示されています。

〈五百羅漢〉
山門から山頂までに、今から420年前に造られた700体の石仏が並んでいます。
この石仏の中には、必ず一つは自分とよく似た顔があると言われています。
自分とよく似た顔を見つけながら、散策されてはいかがですか!!

〈展望休憩所〉
山頂の展望休憩所からは、瀬戸内海の多島多美そのものが眼下に飛び込んできます。
その眺めのすばらしさに、歌人 吉井勇は「白滝の山に登れば眼路広し、島あれば海、海あれば島」と読んでいます。

駐車場からここまで約5〜6分
海が見えてきた

山門をめざし「表参道」を歩いていく

参道左手にある「慈母観音」

石組みの上に建つ木造の「展望デッキ」

【案内看板より】

白滝山霊異記

抑(そもそも)当山は古代に於ける山岳信仰の跡にして美事なる祭祀遺跡なり。
さてこれ仏法に依りて開き給いしは実に法道上人なり。
上人は天竺の人にして霊鷲山(りょうじゅせん・釈迦が無量寿経法華経を説いたとされる)の仏苑に住みしが、中国に渡り百済国を経て大化の頃本邦に来朝せられけり。
上人は今昔物語、宇治拾遺物語や、信貴山縁起絵巻に見るが如き千手空鉢の法を得たまいしより空鉢上人或いは満来上人とも稱せられぬ(稱は称の旧字体。〜と称せられるの意)。
木原の鉢ヶ峯、深安郡中條の円通寺神石郡阿下の星居山にも併せて開き給いしと傳ふ(云う)。
始め上人は鉄鉢を恣(ほしいままに)するや、鉄鉢は空をしのいで自ら飛び、山下の布刈瀬戸を往来する群船を廻りて鉢米を受けて山上に帰り来ると云ふ。或る時沖を通る大舟ありしが虚空より舞下りたる鉄鉢の中に舟人邪心を起こして鰯を入りしが、その舟大きく波にゆれて海底に沈みけるとかや。かくてこの瀬戸を山伏の瀬戸と云ふ。
法道上人は弟子白道上人をこの地に、万慶上人を鉢ヶ峰に残して自らは播州書写山に赴き給しと傳ふ。
白道上人は細島にすみしよりこの島を山伏島とも云うとぞ。
下りて永禄十一年海の驍将(ぎょうしょう・強く勇ましい大将の意)にして東亜の天地に其の名高き村上新蔵人吉充この地の青木に本城を構えるや当山を控の要害とし峯に観音堂を設けて常楽院静金上人を居らしむ。

天狗三態

最上部に3人の天狗が立つ案内看板裏手の岩に彫られた十字架観音像
うっかり撮影するのを忘れた

「恋いし岩」への案内矢印
はて、恋いし岩とは何ぞや?

白滝伝説 恋し岩(重井の民話より)

昔々、重井の村に気立ての優しい可愛い娘と身体の大きな力の強い、立派な若者が居り、二人は恋に落ち、結婚を誓いました。
そんな時、相撲の巡業が村を訪れ、素質を見込まれた若者は「三年間待ってくれ、立派な相撲取りになって迎えに帰る。」と言い残し、上方へと旅立ちました。
娘は若者を信じて待ちましたが、約束の三年も過ぎてしまい悲嘆にくれ、海に身を投げて死んでしまいました。
一方、若者は一所懸命に修行に励み「白滝」と名乗る一人前の力士になりました。
娘を連れに村に帰った若者は、娘が身を投げて死んだことを知りました。
深く嘆き悲しむ枕元に、ある夜、白滝山の観音様がお立ちになり、そのお告げにより、若者は深浦の浜で、身投げをした娘の化身の岩を見つけ、五十貫(一貫=3.736kg×50=186.8kg)はあろうかというその岩を、一人で山の頂へ運び観音堂に奉り、その後一生をかけて供養しました。

平成二十一年三月吉日

重井町文化財協会
重井町区長会

観音堂の裏手に安置された「恋いし岩」

画像左手が観音堂、正面が展望デッキになる
そろそろ五百羅漢を見に行こう