徘徊する魂   Traveling Alone ! 

四国と周辺地方をYBR125Kと徘徊中

まきび記念館

10月中旬の平戸ツアーから帰って以来、3週続けて休日どこにも出かけず自宅にこもっていたお陰で、どこかへ行きたくて仕方がなくなった。

とりあえず本土に渡ることにして、早朝に自宅を出発し「しまなみ海道」経由で尾道に向かう

10時半過ぎに2年ぶりの「吉備神社」前でトイレ休憩

5年前の来訪時には、現地到着が閉館時間を過ぎていたせいで見れずじまいだった「まきび記念館」

今回は午前11時を少し回った頃に無事到着

紅葉と青葉が交じる「まきび公園」の庭園風景

入場無料なので係の方に挨拶して観覧開始

展示室に入るとすぐ目に飛び込んでくる「遣唐使船」模型

遣唐使入唐路図

【案内看板より】

町政施行四十周年記念

遣唐使船模型

この遣唐使船は、広島県倉橋町所有の復元遣唐使船を一〇分の一に縮小したものです。遣唐使船の復元については、平安時代をイメージしたもので吉備大臣入唐絵巻を参考に復元したものです。
 復元船の建造にあたっては、広島県倉橋町に残されている和船づくりの伝統的技術を終結して地元造船所の棟梁により制作されました。

「入唐絵巻」に描かれた遣唐使

【説明パネルより】

入唐絵巻(にっとうえまき)

この入唐絵巻は、平安時代末期の学者大江匡房(まさふさ)が晩年藤原実兼(さねかね)に話したことを書いたもの、即ち「江談抄(こうだんしょう)」を基として作られたものです。

 内容は真備が唐へ渡ったとき、唐の役人たちが日本人の学力や知識を試す場面が主となっています。
 当時、唐は世界で最も優れた文化国家でしたが、真備はこれらの設問に全部答え、唐の役人たちを感心させたといわれています。

特に興味をひく場面は、難しい「門選(もんぜん)」という本を読まされたとき、阿倍仲麻呂の霊が鬼と化して教えてくれ、また囲碁の勝負で相手の石を一つ呑み込んで勝つというところなどです。

絵は当時有名な「伴大納言絵巻」の常磐光長(ときわみつなが)とされています。書の方も研究はされていますが定説はありません。
 この実物は大正十二年アメリカへ渡りボストン美術館の重要美術品となっています。ここに展示しているものは、中央公論社の「日本絵巻大成」第三巻より抜粋したものです。 

【説明パネルより】

真備は、天平13年(741)皇太子(孝謙天皇)の東宮学士を拝命し、漢書の難解を痛感して音韻学に優れた袁晋卿とともに「カタカナ」を作ったという。
 袁晋卿は、天平7年(735)真備とともに唐より入朝し大学音博士の称号を賜り帰化したのち大学頭となった。

【説明パネルより】

魚養塚(なかいづか) 奈良市十輪院町

この塚は真備が唐に残した子(魚養)の墓と伝えられ、北側に横穴式石室がある。
 魚養は、十輪院の開基で書道と医術に優れ、弘法大師の書道の師といわれている。

(奈良市史・十輪院沿革略記)



【説明パネルより】

吉備真備が遺した教訓書
私教類聚(しきょうるいじゅう)

第一 
日本でいう五戒、儒教では五常という道徳を実行せよ。
 
一、殺生をしない。
二、盗みをしない。
三、淫欲を起こさない。
四、悪口をいわない。
五、酒乱しない。

第二   学問せよ。

第三   道教を信じてはいけない。

第四   人生ははかない。

第五   人の道をふみおこなうこと。

第六   殺生をしないこと。

第七   盗みをしてはいけない。

第八   淫欲を起こしてはいけない。

第九   人の悪口をいってはいけない。

第十   酒乱はいけない。

第十一  忠孝を行え。

第十二  友達との約束を守れ。

第十三  仏教をうやまえ。

第十四  言葉は慎重に用いよ。

第十五  誤れば、ちゅうちょせず改めよ。
 
第十六  考え、しかる後に行動に移れ。

第十七  愚かな人を馬鹿にしてはいけない。

第十八  他人の家に長くとう留すべきではない。

第十九  交友もあまり深入りすべきでない。

第二十  激情に走らず、忍耐せよ。

第二十一 暴飲暴食すべきでない。

第二十二 なにごとにも努力せよ。

第二十三 奢侈(しゃし)であってはいけない。

第二十四 正妻一人で、妾を持ってはいけない。

第二十五 もうけ仕事に走ってはいけない。

第二十六 博奕をしてはいけない。

第二十七 社会生活でしてはいけないこと。

第二十八 妊婦のしてはいけないこと。

第二十九 夫婦生活でしてはいけないこと。

第三十  社会生活での馬鹿げた行動のこと。

第三十一 あやしいまじないを信じてはいけない。

第三十二 人をスパイしてはいけない。

第三十三 音楽ばかりにふけってはいけない。

第三十四 正しい占いは知っておくこと。

第三十五 医学を勉強すること。

第三十六 書道、数学を勉強すべきこと。

第三十七 読書につとめること。

第三十八 弓道を学ぶこと。

長々と説教された気分になってきたので、そろそろ退散する

口うるさいがたまに会いたくなる碩学な爺ちゃんの家とでもいうところか

2014-10-18 吉備真備公園にて
2011-05-02 まきび公園と吉備寺