因島の鯖大師
弘法大師 大正十年八月吉日 村井才吉建立
【碑文より】
鯖大師の由来
弘法大師因島に御来島の秋 島を一巡されるお姿はお袈裟朽ち衣破れ乞食相にも似たご修行姿であったという
海岸をご巡錫(※じゅんしゃく)の途中頭に魚桶を乗せ行商する<魚屋にお逢いになり魚の喜拾を求められた
其の時魚屋は之は商品の品でありまして魚を乞らとは全く
呆れた生臭坊主乞食坊主と罵り去ったという
しばらく行って魚屋がふと桶の中を見ると今朝獲ったばかりの鯖も鯛も全部腐っていた
これは唯人ならずと後を追いその修行僧に合掌懺悔して許しを乞い大師は魚屋を憐み桶の中から鯖や他の魚を取り出し御加持して海に放すと勢いよく内海へ泳ぎ去ったという信仰談が今に語りつがれている
この鯖大師像は明治45年に作られ村井万吉氏宅地に祭置されていたものを大師像と共に當処に移転したものである。
西國寺沙門文雄
※巡錫
錫杖(しゃくじょう)を携えた僧侶が各地をめぐりながら教えを説くこと
内部の様子
せとうちタイムズ