徘徊する魂   Traveling Alone ! 

四国と周辺地方をYBR125Kと徘徊中

これでも無料?

先日、たまたま持ち帰ったWILLCOMの最新カタログをパラパラめくっていたら、月々¥2430で「2台目〜3台目も無料」の文字が目に入った。携帯電話会社がCMで連呼する「無料」サービスが実際に完全に無料、つまり何の縛りもなく正真正銘タダだったことなど、これまでの経験上ほとんどなかったのだが。

新規で契約する主回線の基本料金¥1450に加えて「誰とでも定額」というオプションを追加すると、同キャリア以外の相手先とも10分以内の通話が500回まで無料になるらしい。これに万が一の破損に備える「あんしんサービス」を追加した¥2745ぽっきりで、相互通話料金無料の端末が3台持てるなら誰が考えてもお得に違いない。今契約している3台の携帯電話に追加して契約しても、通話料が今より節約出来るのではないかと考え、そんな甘い話があるはずもないと思いつつ、けっして近くはない携帯ショップまで仕事帰りに足をのばして話を聞いてみた。

結果はといえば、案の定の残念な内容だった。
とりあえずカタログで選定していたこのキャリアのフラッグシップモデルであるWX340Kを主回線用とし、副回線の2端末は何でも良いという設定で見積もりしたところ、主回線の月額料金は基本使用料の¥1450に「誰とでも定額」の¥980とあんしんサービスの¥315を加えた¥2745に、24ヶ月に分割される端末代金の月額が¥1780、そこからWバリュー割引で¥980が差し引かれた¥3230が主回線の月額料金になる。主回線端末の入手に費用がかかるのは特に何とも思わなかったが、問題は副回線の2台である。
たしかに毎月の基本料金は無料だが、もっとも安い端末にした場合でも24ヶ月の間、月々¥980の割賦金が必要になるのだ。つまりすべての端末代金は有料であり、厳密に言えば月々¥2430で2台目〜3台目も無料なわけではない。

一応、オークションでWILLCOM端末が多数出品されているのを確認していたので、主回線及び副回線に使用する端末を持込みで契約することは可能か訊いてみたら、「主回線のみの単独契約なら端末持ち込みでの契約は可能」だが、今回のキャンペーンの副回線端末は「契約店でのお買い上げ」が前提だとのこと。
ざっと計算すると主回線の月額料金¥3230に副回線の端末割賦金¥980×2台分を加えた¥5190が毎月の支払額になる。万一端末を破損した場合に生じる高額の修理費用には眼をつぶって、あんしんサービスを除外したとしても最低2年間は¥4875以上を支払う必要があり、使用中の端末に付加してWILLCOMを保持するメリットはかなり少なくなる。

現在保有する携帯をすべて解約してウィルコムのみにすることも一瞬頭をよぎったが、元々PHSは都市部や人口密集地での使用が前提になっており。山間部や人口密度が低い僻地での使用はほとんど考慮されていない。人里離れた山奥でトラブルに遭遇した際、麓まで下りないと電波が繋がらないのでは使い物にならない。
結局、現在契約中の携帯キャリアを継続使用するのが無難という結論にはなったが、使用中の端末も2年以上使っていて電池のもちが極端に悪くなっている。特に欲しい端末がないことでもあり、近々新しい電池を注文することになる。

携帯電話のカタログは、ページ下部付近の注釈部分、文頭に*印が付いた豆粒のように小さな文字をまず念入りにお読みになることをお薦めする。そうすれば、大きな文字の美辞麗句にとりかかる頃には、見事なまでに購入意欲が消え失せているに違いない。