徘徊する魂   Traveling Alone ! 

四国と周辺地方をYBR125Kと徘徊中

パイロットジェットの詰まり

西予市城川町にある三滝城跡からの帰路、松山市にさしかかった辺りで2度の信号停止中に連続してエンストした。
停止中徐々に回転が弱々しくなり、アクセルをあおっても吹き上がらなくなりそのままエンジンがこと切れる症状が連発。

その後、帰宅するまで信号待ちで4〜5回エンストしたが、最後の2回ほどは即座に再始動出来なかったため、仕方なく路肩に寄っては後続車をやり過ごし、イグニッションを切ってしばらく休憩してみたり、あげくは押しがけしたりしながらもなんとか自宅まで帰り着いた。


YBR125Kは負圧式キャブレターのため、ダイヤフラム(弁膜)に裂けや破れが発生する可能性もあるにはあるが、この症状から考えると単純にパイロットジェット(スロージェット)が詰まっている可能性がもっとも高そうだ。
昨年末の点検の際に、エアクリーナーボックスを取り外して見たキャブレターのエア吸入口が綺麗だったのを思い出したが、そういえばしばらくカーボンクリーナーの添加を忘れていたことにも気がついた。

もちろん吸入口が綺麗だからといって、新車購入からこの10月で丸5年、47,000km近く走行したキャブの各ジェット微穴まで新品同様に清浄である保証などあるはずもない。
パイロットジェットの詰まりが今回の不調の原因だとしたら、吸入口の綺麗さに騙され内部点検を怠ったことが招いたトラブルということになる。
やはり20,000km程度走行毎にキャブレターのフロート室くらいは開けてチェックした方が、出先でのトラブルを避けられる可能性は高いということだろう。

キャブレターを取り外すなら、ついでに半年近く洗車していないせいで薄汚れた車体各部の掃除も兼ね、一気にメンテをやってしまうことにした。

作業しやすくするためシートと左右のタンクカバーを外し、エアクリーナーボックスも取り外す。
アクセルワイヤーの2本のケーブルを外し、燃料コックを閉め、フロート室に溜まったガソリンをキャブレターのドレンホースから抜き取る。各ホース類とキャブヒーターのケーブル、スロットルポジションセンサーのカプラーを抜いてキャブレター本体を車体から摘出。

照明を消したガレージで、キャブレターから取り外したダイヤフラムにLEDライトを当て、頭上にかざして点検したが特に問題はないように見える。

取り外したフロート室底面には、ガソリンに含まれていたゴミが乾燥付着している.
この程度ならパーツクリーナーを多めに吹きかけ、細筆と歯ブラシで擦ると簡単に取れた

走行7,600km時点で確認したときは真っ白だったフロートが、ガソリンに侵されてベージュ色に変色

メインジェット、パイロットジェットを抜き取り、フロート&ニードルバルブも取り外してそれぞれを目視点検する。
念のため虫ネガネでパイロットジェットを覗きこむと案の定詰まっている。細いワイヤーで突いてみても開通する気配がない。

キャブレター本体が7割ほど浸かる容器にキャブクリーナーを満たし、取り外したパイロットジェット等と共に浸け込む。
キャブクリーナーはゴム類を犯すので、本体を長時間浸す時はすべてのゴム部品を取り外す。今回はスロットルポジションセンサーを付けたままなので液面に接触しないように注意する。

この後、キャブ本体は外側の汚れ落としも兼ねて2時間ほど、ジェット類は丸一昼夜浸け込んだのち灯油と歯ブラシにパーツクリーナーを用いて茶色のクリーナー液を擦り落とす。

洗い上がったジェット類とキャブレター本体の穴という穴すべてをエアガンで吹かして開通テスト。
結局、パイロットジェットの詰まりはキャブクリーナーでも解消されていなかったが、ワイヤーでしつこくほじっているうちクリーナーで軟化した固着物質が取れた。
しつこいくらいにワイヤーを出し入れして完全開通を確認後キャブレターを組み立てて車体に取り付ける。

エンジンオイルの交換ついでにチェーン調整も行い、過去一度も交換したことのないフューエルフィルターも交換

試運転の結果アイドリングは安定、アクセルレスポンスも改善したような気がする。

熱帯夜のガレージで二晩続けて作業した甲斐はあったが、酒を飲みながらやったせいで要所の撮影を忘れ、画像が極端に少ないことはご容赦願いたい。